最後の授業参観者の感想

最後の授業参観者の感想

鳥取県立赤碕高校(平成17年1月21日)で全国に向けて
9年間実践してきた最後のコミュニケーション授業が終了しました。


昨夜からの雪がまたまた交通機関を混乱。
本日がいよいよ赤碕高校人間関係づくり授業の最後の日。
東京からの飛行機も大阪に引き返したり、広島からの見学者も途中の高速で断念という中にあっても文部科学省の視学官をはじめ、県の教育委員会、山口、広島の教育関係者や行政、鳥取市の商工会議所の方、保育関係者、小児科医、そして、たくさんのマスコミの方が駆けつけられました。
10:05
授業が始まり12:45まで3時間の授業を無事終えました。
1時間は私からこの授業が開始されるまでのいきさつ、今の時代にあってこのような学習の必要性について、そして、3年間の学習をふりかえりました。
授業の核は
仲間からどのように自分がみられているかという「仲間からのメッセージ」をもらう「自分を知る」と言う学習。
そして、すてきな音楽が流れる中で一人一人がもう一人の自分から自分に宛てた手紙を2時間かけて読みました。
3年間の継続的な学習の中でクラスの人間関係は温かなモノで一人一人が思いを語りました。
涙するモノも少なくなく、参観者の方ももらい泣き。
仲間の前で泣く高校生。感動でした。
しっかりと自分を受け止めてくれているという確かなモノが感じられるから一人一人が裸になって語ったのだと思います。
確かに彼らは大きくなっていました。

参観者からの感想です。

小児科医(鳥取県、男性)
今年度末で統廃合される鳥取県立赤碕高等学校の人間関係づくり授業の最終授業を見学に行きました。
最も印象的だったのは生徒さん全員が、自分への「励ましの手紙」をみんなの前で読んだことです。
とにかく圧巻でした。 個々の内容はお話しできませんが、ほとんどの生徒さんが「赤碕高校に在籍した3年間で自分は変わった。
赤碕高校に入学して良かった!」と涙ながらに述べたことが最も心に残りました。
こんなに多くの生徒さんが高校の3年間で自分はこんなに変わった!
と言える高校が日本にあるでしょうか?
良い教育(そして良い教師たち)に出会い、彼らは本当に幸せだと感じました。
赤碕高校が今年度で幕を閉じるのは、まことに残念ですが、赤碕高校の足跡は決して消えないと思います。
これからいっそう「人間関係づくりを学ぶ授業」が全国に広まることを期待したいと思います。


大学教授(広島県、男性)
昨日は、人間関係づくりの授業を参観させていただきたいへんありがとうございました。たいへん感銘を受けました。
雪の中、広島から行かせていただいただけの価値は十分にあったと思っております。
特に、この最後の授業で感銘を受けたのは、やはり生徒たちが自分への励ましの手紙を読み上げる(自分自身へ語りかける)場面でした。
これまでの高塚先生のお話や書かれたものから、生徒たちが自身で成長を実感しているだろうことは予想していましたし、その姿をこの目で確かめるべく、今回行かせていただいたのですが、その様子は私の予想(期待)以上のものでした。
それは、今の時代の高校生が、ここまで素直に自分で自分自身を露わにし素直に自分へ語りかけることができることへの驚きであり、それを許す人間関係がクラスにできあがっていることへの驚きでした。
1年生のときから園児や高齢者とのかかわりを続けてきた生徒たちですが、1年、2年、3年とかかわりを続け、自分自身や、かかわった相手、周りの友だちが変わってきたことを実感し、かかわることの本当のよさを感じてきたからこそ、あの大勢の前でも自分を露わにすることができたのだと思っています。
これが単発の、あるいは2度3度くらいのかかわりでは、あのような姿はみせてくれなかったことでしょう。
これは同時に、高塚先生をはじめとする赤碕高校の先生方の9年間の取り組みの成果でもあることは言うまでもないでしょう。
先生方がそのように生徒たちとかかわってきたからこそではありますが、あのような姿を見せてくれる生徒たちに囲まれ、先生方は本当に幸せですね。
こうした交流活動は、私が改めて述べるまでもありませんが、かかわった先の園児や高齢者の方々にとっても、自分に真剣に向き合ってくれる高校生たちを見るにつけ、自己存在感を高めていったに違いありません。
赤碕高校での活動は、これで最後かもしれませんが、高塚先生が最後に力強くおっしゃったように、また新しいところでも是非続けて行ってください。
私も微力ながら先生方の活動を紹介するなどして、こうした人間関係づくりを広めていきたいと思っていますし、大学で私たちが実践している活動も継続していきたいと思っています。

本当に感動的な授業をありがとうございました。


主婦(鳥取県、女性)
赤碕高校の授業を日本中の子どもから、お年寄りの方がたが学んだら、やさしさ(愛)が、日本を包むと思うのに、ついに赤碕高校では、授業が、終わったのですね。残念です。
高校生が、一年生より始まり三年生の成長過程で、どんなに人間として成長できるか、実際にみていただける、唯一の場所でしたのに。


主婦(鳥取県、女性)
まず、仲間へのメッセージですが、みんながすらすらと書いていたのには驚きました。
いつも振り返りなどで書くことには慣れているということもあるのかもしれませんが。
仲間のことをしっかり見ているのですね。
それを読んでいるときの生徒の顔がうれしそうだったり、はずかしそうだったり。きっと破り捨ててしまった人はいないのでしょうね。
どんなことも言い合える信頼できる仲間たちなのでしょうから。

『励ましの手紙』すばらしかったです!
自分を見つめ、よさを認められるだけでもすごいことです。
それをみんなの前で発表するなんて・・・
つらい過去や忘れてしまいたいこともみんなにさらけだせるなんて・・・
それを受け止められるだけの仲間が、信頼できる仲間がいるからなんですよね。うらやましいですね。

『赤碕高校しか入れないと先生に言われた』彼女が言ってましたね。
『赤碕高校に入学してよかった』と。
こんなふうに思えるなんて幸せだなぁと思いました。
中学での進路指導には問題を感じてますが、高校に入学する前から夢も希望もなく、劣等感を感じたまま入学し、そのまま卒業したり中退してしまう子たちを知っています。
励ましの手紙の中でも、何人もの子が「やめようと思った」と話していたことにとても驚きました。
でも、こうやって最後の授業で自分への励ましの手紙を読んでいる。
思いはさまざまですが、人間関係づくりの授業があったからこそなんですよね。
あらためて人とかかわることの大切さを教えてもらいました。

文科省が大きく動いてくれることを願うのみです。

最後に先生が話された『父や母とあと何回いっしょにご飯が食べられるかな』という言葉はとっても響きました。
親になって初めて親のありがたみがわかったのに、なかなか素直になれず、いつまでも子どものような私。
反省しつつ、自分ももっとかわらなければと思いました。


会社員(鳥取県、男性)
心が心地よく揺れてとってもすてきな一日でした。
本当にありがとうございました。
最後のレク授業。
雪の下で春を待つ福寿草のような厳しい冬なのにあったかい芽吹きをまつ様子のような気持ちのよい授業でした。
3年B組 金八先生の番組は、ドラマですが、赤碕高校にもっとすごい本物のドラマがありました。
VTRカメラを回しながら涙がほほを伝いました。
ビデオテープにダビングできたら編集してお送りしたいとおもっています。